アドラー心理学入門=アドラー経営学入門?

先日拝読した「嫌われる勇気」が良かったので少しアドラー心理学を深堀しようと思いまして、 今週の国内移動の合間に拝読した「アドラー心理学入門」。 この本がどう読んでも心理学に留まらず、素晴らしい経営学の参考書に思えたので幾つかの金言を抜粋しました。 ちなみに、本はこちらです。

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この本から抜粋した幾つかの金言がこちらです。(主語を経営者や企業に置き換えてみました。)

・大人は子供に勝ってはいけない。子供が表に出てこなくなってしまい、非行に走りやすくなってしまうから。
 → 経営者は社員に勝ってはいけない。社員が目立たなくなってしまい、非行に走りやすくなってしまうから。

・適切な行動により注目されることで、不適切な行動は減る。
 → 適切な企業活動により、不適切な企業活動は減る。

・他の人より優れていないといけない→優劣コンプレックス、劣等コンプレックス
 → 他社より優れていないといけないと考えることは、自社の否定的なコンプレックス。

・ありがとう、嬉しい、助かった→存在していること自体に感謝する
 → 経営者は社員や協力企業の存在自体に感謝すべき。

・一人一人の課題を混同しない→課題の分離
 → 一つ一つの企業課題を混同しない。社員一人一人の問題を全体最適で考えない。

・決して自ら他人の行動にブレーキをかけない→免許検定員のように。
 → 社員や協業企業の意識や活動に自社が自らブレーキをかけない。

・横の対等な立場では、子供にあるべき門限は大人にもあるべき
 → 社員・協業企業に課すルールは自社や経営者にも課すべき。

・自分という道具は癖があるが取り替えることが出来ない→どう使いこなすか。
 → いかなる社員、いかなる協力企業も取り替えることはできない。どう使いこなすかを考えるべき。

・甘やかされた子供に育つのではなく、甘やかす親の働きかけの方が子供にメリットがあると子供自身が判断する
 → 甘やかされた社員に育つのではなく、甘やかす経営者の働きかけの方が社員にメリットがあると社員自身が判断する。

・状況で定められた価値は絶対ではない。何が善で悪かは、状況に応じてその都度当事者が合意して
 決めていくもの。

 → 企業経営に絶対はない。何が善で悪かは、市況・周辺環境に応じてその都度経営者、社員、協業企業が合意して決めていくもの。

・Aが理由でBができない→人生の嘘、他人も自分も欺いている。何も因果関係がないところに因果関係を見出すことの目的は、
 自分の行動の責任を他に転嫁すること。
 → Aが理由でBが出来ないという経営者、社員 → 人生の嘘。他人も自分も欺いている。何も因果関係のないところに自社の成長の無さや事業の進捗具合の理由を見出すことの目的は、自社の行動の責任を他に転嫁すること。

・現実を見据えて肯定的に考え行動する→楽観主義。
 なんとかなると思って何もしない→楽天主義→なんとかする勇気を欠いている=悲観主義

どうですか?結構、納得のビジネス金言集だと思いません?

祭りの意義

瀬戸内海を世界の情操教育の中心地にすべく、世界中から子供達が集える祭りに成長してほしいと願うキッズミュージックフェスティバル。この祭りの成長過程を考えながら、昨今多くの地域で生み出されている地域起こしのための新しい祭りに関して熟考してみた。

まず、顕著に変貌を遂げている祭りの役割はITに例えてみるとわかりやすい。

簡単に言うと、旧態依然の祭りは検索エンジンで、現在のトレンドは自社ホームページになっている。旧態依然の祭りは地域中の老若男女が集い、情報交換を行い、それぞれの家族集合体に収集情報を持ち帰る。各々の家族集合体の祭りへの参加動機は異なるが、皆が祭りのためにと最大限の努力を図る。祭りはそのプラットフォームとして機能していた。それが現在では、自社(基盤となる集合体)の予算、設定目標、主催者対顧客、主催するためのリスクマネージメント等、自社(各コミュニティー)の訴求のためのツールとなっている。(ちなみに、何百年と受け継がれている祭りは除外。)

それだけ主催側でコントロールされた祭りに変貌を遂げているため、他コンテンツ(他祭り)との差別化が鍵となる。Aという祭りとBという祭りでは顧客満足度がどう違うか、Aの祭りがターゲットとしている顧客とBのそれとは何が異なるか、顧客側に選択してもらえる空間作り、コンテンツ作りが重要となる。

この変貌に注視し、開催内容を常にブラッシュアップ出来ない祭りのニーズは減少し、逆に顧客をしっかりと見据えた上でのコンテンツ訴求が出来る祭りは顧客から求められ、成長する。まさに、自社ホームページを常に更新していく作業と一緒だ。

では、そのブラッシュアップされるべき祭りのコンテンツはどう取捨選択されているのか?
トレンドとしては経済論で比較すると分かりやすい。

主に、社会主義的な社会問題解決コンテンツと資本主義ベースのコミュニティー目標達成コンテンツ。
比率的には前者が多いように感じる。多くの経済団体や企業、自治体主導で行われてる旧態依然の祭りは、”環境改善”、”自然問題解決”、”歴史再認識”など、コミュニティーとして問題を解決することに重きが置かれている。そのため解決後に次の問題探しが必要だが、問題を失うとその祭りの開催意義さえも失ってしまう。また、達成目標が不明確なため、開催すること自体が目標の場合が多い。

逆に、資本主義的に祭りコンテンツを選択するとなると、まずは顧客分析を行い、段階別の目標設定を行う。その目標設定に準じて、成長戦略上のアクションプランを立てる。難しい点は、祭りという法人格を必ずしも伴わない活動のため、運営側のモチベーション維持だが、祭り自体としては常に成長を遂げる。また、目標設定が明確なため予実管理がしやすく、次回に向けてのブラッシュアップも容易に行える。

これだけ祭りが乱立している現代だからこそ、資本主義ベースの顧客主導型コンテンツを個々の祭りが取捨選択し、成長戦略を描くことで多様性のある祭り作り、強いては地域づくりが生まれるのではないかと思う。

ピースベンチャーサミットゼロ会を終えて

ピース・ベンチャー・サミットゼロ会、
並びに第1回経洗塾祭りにご参加頂いた皆様、
ありがとうございました!

おかげさまで大きなトラブルも無く、
(途中、Portable板倉さんのプレゼン中にマイクの電池が
切れるハプニングはありましたが、、、)
盛会のうちに終えることが出来ました。

来年のPVS(ピース・ベンチャー・サミット)本会の
開催と、第2回経洗塾祭り in 岡山という目標が
生まれたことはこれまで2年間(福山時代を考えると実質3年)、
地道に経洗塾を展開してきたことが
間違いではなかったと確信しました。

そこで、この2年間で気付いた地方における
ベンチャーアクセラレーションの大切な要素を
自分自身の活動への振り返りの意味を込め、
以下にまとめたいと思います。

①間接・直接金融両面のファイナンス理解の時間を
充分取った上で、成長パラメーター係数を
とことんまで絞り込み、商品・サービスの
スケールタイミングを究極まで計り込む。

全てにおける経営リソースが限られている地方ベンチャー
都内や海外ベンチャーアクセラレーションを導入しても
無意味なことに周辺団体はそろそろ気づくべきですが、
だからと言って間接金融のみに頼るだけでは衰退経済の中で
ベンチャービジネスを志す経営者は自発的に生まれない
ですし、逆に非地方型ビジネスの押し売りをしても
ベンチャー経営者側が尻込みします。

よく”事業計画書なんていらない!”、
”やるスピードが大事!”
なんてベンチャー業界で言われますが、
私も都内やシンガポールにビジネスのベースを置く
ベンチャーには同じ事をアドバイスすると思います。

しかし、地方ではこのアドバイスは通用しません。
地方の場合、コミュニティーによる経営者評価が
多岐に渡るので。
それでも、ベンチャーマインドのある経営者達を革新的な
ビジネスに誘導するにはファイナンス環境に対する
徹底的な理解の時間を充分取った上で、
​その革新的ビジネスに自発的に自身のタイミングで
取り組む事への重要さを自覚して頂く
必要性に辿り着きました。

②ビジネス構築の前に参入希望市場に関する分析を
徹底的に行い、その中での最大売上規模を算出した上で
ビジネスロケーションから
無意識に作り出された精神障壁を取り除く。

これは社会環境も変えていかないといけない部分ですね。
①の間接金融への過度な経済依存の部分も成長戦略を
持つことへの罪悪感を生み出している部分ですが、
資本制ローン等、徐々に変わってきているイメージはあります。

ただ、ベンチャー経営者を取り巻く経営者コミュニティー
意識革新がもう少し早いペースで改善される必要が
あるように感じます。そこが変われば、広域な市場規模への
ベンチャー経営者の意識転換がもう少し容易に
行われやすくなるかなと思います。
(ここはある程度既存経済をバイパスする観点が
必要な部分かもしれません。)
それを行うためには、参入希望市場へのコミットメントを
ベンチャー経営者自身が腑に落ちるプロセスが重要だと思います。


本当はもっと沢山の気付きがありますが、
そこは今後も小出しにするとして、
全国的にも経洗塾のベンチャー自生率
アクセラレーション上の調達額・率は結構高い方だと思います。
(井上個人調べ)

都内にいる頃の私をご存知の方々からすると、
”井上に何があったの??”と思われるかもしれませんが、
ここ数年間は地道にコツコツと経洗塾
という場を育ててます。
やっと少しづつ芽が出てきた感じですね。

この勢いを止めないように、
今後は多くの協力団体の皆様とも
情報共有関係を構築した上でベンチャー経営者の
​分母を増やす活動にも
弊社のリソースを分配していこうと思います。

2016年の振り返り

今年最後のブログです。

2016年は多くの経洗塾の皆さんと
事業の飛躍をご一緒出来た年であり、
自分の人生にとって大切なものを
失った年でもありました。
今ご縁を頂いている皆様に失礼を承知で、
数年前に時間を巻き戻せたらと真剣に思う毎日です。

今年の失敗は全て自分の責任ですが、
大切なものを失うまではその大切さと
失うことの苦しさが分からないもんですね。

と言ってる自分も身勝手だなと思います。
自分の人生には必ずその裏に、周りの多くの方々
への影響があるわけですから。

思えば、広島との行き来を数年前に始めて以来、
ずっと戦い過ぎていたのかもしれないですね。
もっと緩やかに、自由に、身勝手に過ごして
良かったのかもしれないし、周りから見られる
イメージとは異なり、何かの使命感や自分に課した責務に
縛られ過ぎていたのかもしれないなと最近思います。
​大切なものをもっと大切にすれば良かった。

だけど、人として生きる以上、
過去に縛られ続ける事は出来ないので
あと数日となった年末だけは
負け犬として湿ったらしく過ごし、
2017年年明けから一気に突っ走る。
ここ数年のように周りに勝負するんじゃなく、
若い時のように自分に勝負する年にする。
それが失敗を通じてご迷惑をお掛けした方々
への最大限のお詫びであり、
これからもお付き合い頂く皆様への貢献に
繋がるんじゃないかと思うんです。

今年最後のブログがこんなで本当に
すいません。来年以降もお付き合い頂く皆様、
こんなバカな人間ですが引き続き宜しくお願いします。

あと数日で正のオーラを極力溜め込んで
来年の皆様への貢献力を高めたいと思います。

最後に、常に前を向いている私の同志の
気合の入った目ヂカラをお裾分けします。

皆さん、本年も大変お世話になりました!
良いお年をお迎えください!

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3カ年損益・CFの書き方に関して

次回広島経洗塾が今期ラストのセッションとなりますので、3カ年計画の作成に関しての説明をこちらで詳しく記載しておきます。

①3カ年計画は”数字を作成すること”がメインではない。
こちら、勘違いしている方々が圧倒的に多いところです。3カ年計画は、”数字を作成する”のではなく、”作成した数字を理解してもらう”のが目的です。素晴らしい数字を作成して、”ほら、凄いでしょ!”ってA3サイズいっぱいに印刷してる膨大なデータの3カ年とか、よく社内用や金融機関用に提出する方が多いですが、読者が知りたいのは”数字の根拠”です。よって、私のオススメする方法は、

1、複雑な計算式はなるべく文章で書き起こし、エクセルシート上に記載する
2、計算式の中で人数、個数等売上の詳細を把握する上で有益な数字種は別々に記載する
3、販管費は出来るだけ複雑化せず、これに幾らかかるのでこれだけかかりますと一項目幾らで記載する。また、その計算式も表記する。

②3カ年計画も説得材料であることを忘れてはいけない。
大きく分けて、助成金補助金、融資、投資、事業提携、資本提携といったところが3カ年計画の提出目的となりますが、その全ての目的は読者を説得して数字を動かすということです。よって、提出先読者と達成したい目標が事業計画だけでなく、3カ年計画内でも説得材料として明記される必要があります。”仮に御社、御行とこれだけ取り引きが出来れば、数字がこうなります!”みたいな内容が3カ年計画上で語る事が出来ないといけないということです。良くある間違いが、既存の3カ年計画とキャッシュフローを提出してしまい、交渉の場で”ここにこの数字が入ると、、、、、”→電卓持ち出す、、、みたいな間違いですね。あくまで、事業計画から3カ年計画までは説得の一貫した流れですので、どれだけ一つのストーリーとして数字も語れるかは資料作り次第です。

③事業計画書もですが、3カ年損益・CF計画書は経営者が書く事、もしくは内容をすべからく把握すること
実は、これが出来ていない会社が多い!というのも、まだまだ事業計画書が金融機関や行政機関への提出用書類というイメージが強く、税理士や会計士に丸投げしちゃう経営者が多いのですが、やはり自社の根幹に関わる資料は自社で作成、運営しましょうということですね。

以上、長くなりましたが参考例を添付します。とある、ライフスタイルブランドのO2Oの数字ですが、参考程度にチェックしてみて下さい。3カ年計画に関しては各社、各人書き方は異なると思いますので。

日本の製造業もあと20年?

先週の話ですが関係企業からご縁を頂き、インドネシア産業省、インドネシア大使館工業部、
インドネシア重工業組合の瀬戸内海視察ツアーのアテンドをさせて頂きました。
その際に参加者の一人でインドネシア国内で幾つかの造船所を経営されている方から言われた言葉から、
その組合が属する製造業分野だけではなく、大枠での今の日本の製造業主と他成長国の製造業主との
意識の違いを感じたので共有したいと思います。

会食の席で、”今回の視察はどうでしたか?”とその方に質問をさせて頂いたところ、こんな返答が
帰ってきました。

”確かに技術力や資金力で日本の大手製造業メーカーはまだまだ強い。だけど、私たちも
資源力、資金力は既に充分確保しているし、これからも国の人口増加に比例した経済成長に
より益々強くなっていく。技術力に関しても事実、世界中から私達の国のマーケットや資源、
成長力が欲しいがための技術供与の話を頂いている。そんな他国との競合関係の中で日本の
製造業はあと20年くらいの寿命なんじゃないか?何故、今のうちから積極的に技術供与を
新興国の成長企業にしないのか?今の日本なら、まだイニシアチブが取れるのに。
日本の製造業主の方々はすぐに私達の国のインフラ整備の遅れや技術の問題を先行させ、
カントリーリスクのみで判断したがる。”


恐らく、この発言に対して多くの製造業主の方々からのご意見は、

”20年の根拠は?”

”技術流出のリスクは誰が補填するのか?”

”日本の技術力をもってすれば、今からでも独資挑戦の方がリスクが少ないんじゃないか?”

などなんでしょうが、実は問題の根幹はそんなところにはないんじゃないかと思う訳です。
要は、成長国にて成長企業を経営している方々の意識ははっきりしていて、過去の関係性ではなく、
今の成長をより高みに、より効率的にサポートしてくれる企業を天秤にかけ、最良のパートナーと
組む事が大切であり、これに日本の製造業主達が柔軟に対応しない限り、今よりももっと日本企業の
バイパスが進むってことなんだと思います。今はまだ、”日本が好きだから”という理由で
パートナーとして声を掛けてくれているに過ぎないということです。

勿論、日本国内の製造業が海外に積極的に進出出来ない大部分の問題は経営者の意識ではなく、金融機関の
柔軟性や国内税制に寄るところも多いとは思いますが、経営環境以前の問題として
まずは成長国における経営者視点に立った上で、日本の製造業主として何が出来るのかを考える時期に
来ているんじゃないかと思うのです。

先日のブログでも説明したシンガポール高等技術訓練学校ここ数年で日系製造メーカーからの支援はめっきり減って、
逆に日本以外からの支援が年々増加しているそうです。どこかでこの意識の改善を行い、日本のバイパス化を
食い止める必要があると今回のアテンドを通じて感じた次第です。

週末移住のススメ

おはようございます!

昨晩は東京銀座で開催された
広島県庁主催のプライベートセミナー
"HIROBIRO.ひろしま in 東京
週末移住編”に登壇しました。
http://www.hiroshima-hirobiro.jp/news/details/000172/
主なセミナー内容は下記です。

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広島県庁のUIJターン政策に関する報告
広島県の創業・起業に関する環境説明
③民間主導による広島空港活性化策
④広島・瀬戸内海への週末移住のススメ

なんと広島への移住者数が昨対比で
倍になる見込みなんですって!
この広島県庁HIROBIROチームは
チームビルディングが素晴らしく
このチームだからこそ
多くの方々を惹きつけているんだろうな
と改めて感じました。

参加者の方々も
”週末移住”のコンセプト通り
多様なバックグラウンドの方々が
集まり、登壇終了後も1時間近く
質問・意見交換が続き、
やはり数年前から提唱してきた
”パラレルリビング”がやっと
都内でも浸透してきたんじゃないかなと
思います。

パラレルリビングxジェットセッター。
これが今一番かっこいいライフスタイル
だと断言します!

この都内からの追い風も最大活用して
弊社の新事業である広島空港を中心とした
地域を盛り上げようという試み、
"NFK→NTKプロジェクト"を
加速させて行きたいと思います!

*NFK=日本一不便な空港
*NTK=日本一楽しい空港

広島空港然り瀬戸内海は
国内におけるパラレルリビング、ニアショア、
週末移住に最も適した土地の一つであると
真剣に考えているので
このNFK→NTKプロジェクトを
一緒に推進して頂ける同志を
絶賛募集中です!
ぜひ気軽にお問い合わせ頂ければ
幸いです。

本日はちょっと大きなリリースを
​出す予定ですので、
そちらもご期待ください!