製造業と再現業

最近色々なモノづくりに関する書籍を拝読したり、
モノづくりの最前線で活躍されている方々に
直接刺激を受けたりする機会に恵まれている環境で、
ちょっとこんなこと考えてみました。

そもそものモノづくりを表す”製造業”って、業種の定義付け自体が時代に
そぐわなくなってきているんではないか?
実はモノづくりには2種類の業種が存在していて、
それをいくら混同して議論しても、各業種に属する方々や長年各業種で生きてきた方々からすると、
相反する業種には(絶対ではないけれど)価値も喜びも感じないんじゃないか。

ということで、私が考えた二つのモノづくりの業種の性質を簡単にまとめてみました。

製造業
・無から有を生み出すことへの喜び
・デジタルファブリケーション、プロダクトデザイン、新ブランド創出
・エンドユーザー市場に近く、常に世にない全く新しい産物を欲する

現業
・破壊されたものを修復することや求められたものをカタチにすることへの喜び
・現在の定義での”下請け製造業”、”量産工場”、”製造外注先”
・製造業者に準じて動く、もしくは既存市場の製造物に対して改善意欲を発揮する

それをひとくくりの業種にしてしまうから、誰が何を求めてて、
市場が何を求めているか分からなくなってしまう。

それぞれの業種にはそれぞれのモノを作る素晴らしさがあって、対外的な評価軸も違う。
例えば、国内市場や海外のエンドユーザーマーケットは日本の製造業再建を求めているかも
しれないけど、私の渡航頻度が高い東南アジアの新興国からは再現業を誘致してきてほしいと
頻繁に相談を受ける、みたいな。

日本のモノづくりが成熟市場だからこそ、旧態依然の業種の定義自体を見直すことで、
初めて適切な市場に対する人材配置やリソース提供、現状改善のための有効な打開策が
検討できるんじゃないか。


そんなことを金曜の夜中に考えました。