Sharing EconomyとShared Eco System
現在、広島県の大手企業社員、ベンチャー経営者、デザイナー、行政、金融機関、学生の有志が一体となって
計画している非都市圏型エコシステムの創造プロジェクト。
その名称が”イノベーションコレクション”、略して”イノコレ”。
このプロジェクトへの参画を通じて、私が想い描く地方経済活性化のための経済理念(ビジネスモデル)
をここで提起したいと思います。
題して、”シェアードエコシステム”(Shared Eco System)
この経済理念を説明する上で、参考になるのが最近良く耳にするシェアリングエコノミー。
代表的な企業の例としては下記。
Airbnb(https://www.airbnb.jp/)
Zipcar(http://www.zipcar.com/)
”現代ビジネス”によると、シェアリングエコノミーの定義は、”ソーシャルメディアの発達により可能になった
モノ、金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のしくみ”だそうです。
これって非都市圏型エコシステムの創造に活かせない?
そこでシェアードエコシステムをこんな感じで図式化してみました。
まずは、シェアリングエコノミーとシェアードエコシステムにおける環境の違いを精査。
シェアリングエコノミー(Sharing Economy)
・成熟市場をバイパスする経済活動・ビジネスモデル
・既得権益の破壊が目的
・ターゲット市場内での上場企業、大規模企業比率が高い
・イノベーション、インキュベーションムーブメントとの共存がキー
・既存の資本主義のリニューアル
シェアードエコシステム (Shared Eco System)
・未成熟隔離市場、成熟市場と比較した場合のリソースの欠如が顕著
・既得権益の破壊よりも既得権益との共存がターゲット市場内のテーマ
・上場企業数と比較して非上場企業数が圧倒的に多い
・社歴の長い企業数が多く、資本流動性がない(間接金融機関が金融活動の最上位)
・資本流動性の欠如により既得権による経済基盤依存度が高い
広島県下で行われている経済活性化活動を拝見する限り、シェアリングエコノミーが想定している経済環境を
ターゲットとした新規プロジェクトやアントレプレナーの集まりが多い気がするけど、実はシェアードエコシステム
が想定している経済環境が地方経済には圧倒的に多いんじゃないかな。リソースが限定されている中で利用可能
リソースから最大公約数を導き出すことが何よりもここでフォーカスすべき。
最近ベストセラーとして話題になった里山資本主義とシェアードエコシステムが同じようだという
ご意見を頂くかもしれないけど違いは明確で、里山資本主義が市場原理と市場アクセスを
自ら限定した上での地方経済活動の隔離や安定性を唱っているのに対して、
目指す市場はシェアリングエコノミーもシェアードエコシステムも変わらない。
自由経済活動上、アクセスが可能な全ての市場がターゲット。
というのも、現状の日本としての少子高齢化や国債問題は東京に住もうが地方に住もうが
全国民すべからく取り組むべき課題。地方だから地方的に生きて良い、経済成長を目指さなくて良いというのは
あまりに将来を生きる子供達に無責任過ぎる。今の日本は世界経済の中で生きている事をもう少し地方に生きる
経営者も直視する必要があると思う。
都市圏型と非都市圏型エコシステムを一国内で共存させることにより、初めてこれまでの日本の経済文化を維持しつつ
地域毎に多角化された経済成長を促すことが出来るのではないかと思うからこその提起でした。