鳥取県のベンチャーシーンレポート

 

行ってきました!鳥取県
メディアが伝える人口減少の最先端地!衰退地方の象徴的な県!
今回は中国地方4県目の進出を目指しての視察です。
本当にベンチャーがいないのか、若者がいないのか自分の目で確かめるためです。

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初日

鳥取駅に到着後、まずは鳥取のスタバ? すなば珈琲へ! 
本当に駅前にありました。スタバ感、、、喫茶店ですね。

本番の会食前に鳥取市内の観光地で体力を消耗したくなかったので、
すなば珈琲以外にはどこも行きませんでした。
あくまで経洗塾の進出検討なので。

鳥取銀行の地方創生アドバイザーとして大活躍されている
安川さんにお声掛け頂き、鳥取県内のベンチャーシーンで活躍する方々に鳥取駅前の美人女将がいるお店に集結して頂きました。左から、

・とっとりキャピタルの岡村部長 http://www.tottoricap.com/

鳥取銀行地方創生アドバイザーの安川さん http://www.tottoribank.co.jp/index.html

クラウドシューズボックスをリリースしたシュプリの岸田さん
 https://shpree.jp/

鳥取中部で唯一のコーワーキングスペースを運営するスイコーの増田さん

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あれ?ベンチャーいますね。皆さん、テンション低くないですね。
”おまえ、どこのどいつだ?”的なベンチャーシーン特有のプレッシャーがガンガン伝わってきますね、、、おかしいな。

二日目

 

やはり盛り上がりすぎて、二日酔いになってしまいました。
前夜に安川さんに、”明日何するのー?”と聞かれ、
鳥取砂丘!と言うべきところを”隼Lab行きたいです!”
とお伝えしたことを後悔するぐらいの早朝嗚咽。

頑張ってお邪魔してみると、この隼Labが凄かった。(隼Lab https://hayabusa-lab.com/

鳥取市から車で30分もかからない場所にある廃校をリノベしたインキュベーション施設。

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”日本一人口の少ない県、鳥取県八頭町から始まる新たなチャレンジの場”として
奮闘される株式会社シーセブンハヤブサの古田さんを筆頭に、ベンチャービジネスを創出するための素晴らしい空間を運営されてます。一階のおしゃれなカフェスペースから始まり、コーワキングスペース、シェアオフィス、子供のためのプレイグラウンドなどなど。ニアショア利用とか、都内のベンチャーも利用価値は高いだろうなと普通に感じました。とっとりキャピタルの寺谷社長、岡村部長もわざわざご挨拶にお越し頂き、充実の隼Lab視察となりました。

鳥取市内への帰路は、幸運にも若狭鉄道の特別車に乗車。
(レトロな隼駅で撮影させて頂いた安川さん)


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車中で安川さんにご説明頂いた、鳥取銀行が取り組む”アトツギベンチャー・プロジェクト”。既に相当数の参加者がいらっしゃるみたいで、事業承継 x ベンチャービジネスをどう鳥取県の経済活性に繋げるかを安川さんが本気で取り組まれてます!

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鳥取市内に戻ると、安川さんにご紹介頂いた天ぷら屋で鳥取のグルメを堪能。
鳥取名産のモサエビが入った特選天丼。美味すぎでした。


(モサエビの大都市出荷事業は塾出身のベンチャーUUUOが手がけてます。)
https://uuuo.co.jp/

 

その他の鳥取グルメ。モサエビの唐揚げ、牛骨ラーメン(松坂牛の生産って、大山で行われてるんですね。知りませんでした。)もはや、蒜山高原の乳製品、鳥取各地で栽培される野菜・フルーツ、境港を始めとした鳥取各漁港で水揚げされる水産物など、鳥取県は食材の宝庫ですね。

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ここからが真骨頂。勢いで、鳥取の他の都市を視察したくなってしまいました。ちょうど週末なので。家族を大事にしてください!って、卒塾生の方々にはいつも怒られてるんですけどね、、、もう2泊。鳥取中部の都市、倉吉市にお邪魔しました。


ちょうど安川さんのイベントがあるということで、お邪魔してみると倉吉市で活躍されている若い方々が勢揃い!皆さん、志が清々しい方ばかりです。

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もう巷で語られている”鳥取県は寂れている、若者がいない、消滅する県、、、”
嘘ですね。失礼ですね。鳥取県を知らない方々、海水浴だけで来る方々、鳥取砂丘だけ見て帰る方々、データだけで地方を語る方々が作り上げる妄想、風評ですね。
だって、沢山素晴らしい若手ベンチャー候補がいらっしゃるし。特に、大都市圏からの移住者が沢山いらっしゃいました。やはり、これからの時代はライフスタイルの多様性を追求して、居住環境も自分で選ぶ時代ですよね。

三日目

 

FBでアップさせて頂いたパンダ祭を終えて、三日目は倉吉市から車で15分ほどの三朝温泉へ。痛風が再発した足首を癒やすため、世界最高濃度のラジウム温泉の威力を体験しました。沢山の温泉を利用してきましたが、この温泉はやばいです。針で体中を刺されるような感覚です。奇跡を起こします。入浴後に体から全ての毒素が吐き出された感覚がリアルに体感出来ます。

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そして、今回の鳥取視察の最後にお邪魔したのが、
三朝温泉から徒歩で行ける三朝バイオリン美術館と鳥取ヴァイオリン製作学校。
実は、日本のヴァイオリン生産の父が鳥取のご出身なんですね。

 

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結論

8年以上経洗塾を運営する中で他県でも同じことを感じてきましたが、やはりベンチャー創出の確度は都市人口との比較論ではないですね。どれだけ地域の資源を分析し、課題を分析し、地域の志の種を育み、ベンチャーマインドを醸成し、それをインターネットを経由したリソースに繋ぎ込み、日本の課題、世界の課題に打ち込むか。その視点で鳥取県を視察してみると、ベンチャービジネスの宝庫でした。卒塾生やフェローの方々にも是非訪れてもらいたいと本当に感じました。

ということで、鳥取経洗塾を開催準備します。
鳥取全域の方々に参加してもらいたいので、
場所は鳥取中部に位置する倉吉市唯一のコーワキングスペース
SUIKO WORK CAMPさん。https://suikoworkcamp.jp/

鳥取から素晴らしいベンチャーを創出出来るように、微力ながら貢献したいと真剣に思える視察となりました。今回の視察をご手配頂いた安川さん、毎夜の飲み会にご参加頂いた皆様、ありがとうございました!

地方に必要なベンチャーを生む確度について


昨日お邪魔した行政機関での協議内容が非常に有意義だったのでシェア。

昨今のベンチャー創出は、①気運高めイベント→②アクセラレーション(ベンチャービジネスのブラッシュアップ)→③ピッチ大会→④VCによる投資検討、というのが一般的な流れとなっていますが、地方でそれを行う場合に決定的に抜け落ちている点があります。

それは、以下のような点です。

1,地方からベンチャービジネスを検討する方にとって、ビジネスを発表することが最初のアウトプットだとハードルが高過ぎる


①でピッチを求め、②でより良いピッチを求め、③でもっと良いピッチを求め、④で最高のピッチを求める。

ベンチャー創出に優しさが必要という話ではないです。地方においては、この一般的なプロセスではベンチャー候補を消耗し過ぎるし、創出確度が上がらないという事です。

無論、ベンチャーはチームの質、事業計画、プロダクト、資本政策の評価を受けた上で外部資本を有効活用し、最短で成長を目指す企業体であり、それを遂行出来るチームをリスクマネーを投下する組織が効率的に見つけることを求めるのは至極当然だと思います。しかしながら、大都市圏のように全方位のリソースへのアクセスが無い地方からのベンチャー創出の確度を上げようと思えば、アウトプットの細分化が必要だと思うわけです。創業前からビジネスモデルをプレゼンするまでのアウトプット内容を細分化した方が圧倒的にベンチャー創出の確度は上がるはずです。


2,自身にとってベンチャービジネスが正しい選択なのかどうか判断するプロセスが無い

これは多くのプログラムに送り込む側の責任も大きいと思いますが、ちょっとカタカナで書かれているくらいの企業種ですので、海外のサイトから”ベンチャービジネスの定義”を引用してみます。

https://articles.bplans.com/whats-difference-small-business-venture-startup/

 

要約すると、

・大きなマーケットがあること(大きな経済的リターンが計画出来ること)

・外部資本を利用して最短の成長を計画すること、またその成長の過程で外部資本注入者から資本以外の支援も受けること

・出口戦略を計画すること

なので、この引用文中でも明確に問われています。

・あなたは最短での成長を達成するために死ぬ気で働きたいですか?
・あなたの商品、サービスは大きなマーケットがありますか?
・外部からの意見を許容出来ますか?

 

勿論、外部資本を入れなければ、成長に関しては自由度が増します。マーケットに関しても、大きなマーケットが仮に存在していても、地元に特化するのも自由です。大都市圏のベンチャーが大手のVCから資金調達した上で小さなマーケットを相手にする確率も極めて低いですし。

ただ、この一般的なベンチャーに関する定義を参加するプログラムの中で理解した上で、どの方向性を目指すべきなのかを選択する自由があって良いのではないかという話です。また、この問いを投げかけるプロセスが各地のベンチャー創出の動きの中にあって然るべきだと思います。残念ながら、このプロセスって存在するようで、実は現在の地方におけるベンチャー創出の動きには欠けている場合がほとんどです。

だからこそ、塾を事業化&サービス化して、もっと多くの方々に届けたいんですけどね。多様なベンチャービジネスを多様な視点で受け入れる世の中が日本にも創りたいと想う毎日です。

しつこいですが、塾のフェローを絶賛募集中です。フェロー登録の内容は簡単ですので、詳細は是非お問い合わせ下さい。
お問い合わせページ: https://www.ksj-vp.com/contact.html

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ゼロイチのブレまとめ

 

経洗塾を通じて多くの経験をしてきた事をベースに、ゼロイチ事業推進がブレるタイミングをまとめてみました。

ブレる要素を知ることで、自身の現状をより正確に理解する一助になるかもと思いましたので。

①立ち上げ前〜初期の段階でパラメーターの分母係数に関する徹底的なマーケット情報収集が行われていなかった

②商品、サービスリリース後に対外的に過剰にもてはやされることで、リアルな組織力、チーム力が見えなくなり、なぜ事業成長が進まないのかをビジネスモデルのせいにしてしまう→パラメーター分母係数への自信を失う

③ゼロイチ事業を通じて事業開始前よりも圧倒的に人脈が拡充すると、壁打ち相手が事業推進のプロセスで増加し、多くの多様なアドバイスを受ける中で初期のパラメーター分母係数に対する意欲を失ってしまう

④そもそも事業スタート時の大義が他者から与えられたものだったことに、事業リリース後に気付く


⑤事業リリース初期のチームメンバーが強引に集められ過ぎて、初期のマイルストーン達成前にチームの不和による事業に対する猜疑心が生まれる→井の中の蛙チーム作りに陥ってしまう

⑥ゼロイチでの直接金融利用時に、調達するためのVCもしくはエンジェルの意向を受け入れる

⑦直接、間接金融に対する理解を深めず事業リリースしてしまい、事業開始初期から両方の要素を取り入れようとリソース集中が分散してしまう

ゼロイチを立ち上げるタイミングでは、運の連鎖、成果の連鎖、人脈の連鎖等、数珠つなぎで多くのことが五月雨式に発生します。

そんな状況が発生するからこそ、事業開始前に自身の事業に対する大義やそれを具現化できる事業の根幹に位置する成長分母の係数を徹底的に把握し、事業開始後も常にそこに対するブレがないかを精査することが大切なんだろうなと思います。

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新しい県での展開に関して


まさかこんな展開になるとは思っておりませんでした。近日中に長崎経洗塾をキックオフします。

旧友の公庫白土さん、県庁の村井さん、小島さん、公認会計士の手塚さん、などなど。
前回の長崎県スタートアップ拠点プレセミナーにお呼び頂いた皆様の熱意とシードベンチャーの皆様の後押しに完全に想いが支配されてしまいました。

広島出身の人間としては、長崎の地は修学旅行で訪れた過去の記憶。

それが大人になって再訪してみると長崎の奥深さに感動してしまい、一気にファンになってしまいました。

無数の歴史的建造物、多様な文化が入り混じった商文化、豊かな自然に育まれた食文化。特に海産物が絶品です!(写真は長崎市で毎年開催されるランタンフェス。街が桃色のランタンで埋め尽くされます。)

そんな場でベンチャー創出に挑むことが出来るという事で、今からワクワクが止まりません。

 

既に岡山、広島での通常塾と昨年に続いて山口でのプログラム開催が確定してますが、今年は早期にあと2つの県での展開を計画してます。現在の候補は鳥取と香川。まだまだ何も確定してませんが、気力、体力が続く限り、今年は塾を成長させます!

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今年の経洗塾の取り組みに関して


新しい元号が”令和”と発表されました。これから新しい時代を迎えるという事で、今後の経洗塾のサービス展開に関してちょっとだけ説明させてください。

経洗塾の新しいミッションをまずは設定しました。

”未来を創造するベンチャー性善説を常に追求し、経済環境に囚われない永続的に持続可能な社会をベンチャーと共に目指す”

今まで多くの方々とお話してきて、この想いを共有させてもらいました。今の日本の世の中はやりたい事をやりたいというだけで”性悪説”の壁が立ち塞がります。特にシードベンチャー創出の場では、実際には頻繁にこの壁が存在します。それを全てぶち壊したいなというのが経洗塾のミッションです。地方課題解決や自然問題解決、人口減少問題解決、各地の遊休資産活用等を主な成長軸としたベンチャーの創出を経洗塾のスペシャリティーにしていく方針です。

 

①通常経洗塾
こちらに関しては、これまで中国地方をベースに地方発ベンチャーの創出を8年ぐらい続けてきた通り、塾生から喧嘩を売られるくらいガチンコでベンチャー創出に取り組む場としてマンパワーの限り開催していきます。参加された方々はお分かりだと思いますが私はただの色々経験者としてフラットな関係で取り組むので先生と生徒とかの関係ではなく、この塾というエコシステムの質を常に向上しながら半永続的に塾生をサポートしていく体制が作れたらなと考えてます。まだ進出していない地域への展開も随時行っていきます。現状の開催状況は、第9期広島=募集中、第5期岡山=満席、第1期長崎=募集中です。入塾説明会に関するお問い合わせは以下をご利用ください。

経洗塾のお問い合わせページ: 

https://www.ksj-vp.com/contact.html

 

②inhouse
こちらは今年中早期にリリースを計画している新クラウドサービスとなります。ミッションは、”アクセラレーションの破壊”です。長年継続してきたベンチャー創出の場で感じてきた事を丸っとサービス化出来たらなと考えてます。ベンチャー創出に対する考え方は人それぞれだし、受けたいサポートも人それぞれ。それでもベンチャー創出に取り組む方には一定のベースのノウハウやリソースが必要だし、最低限それを都市部でベンチャー創出に取り組むのと同じぐらいフラットに提供出来たらなという想いで準備してます。要は”アクセラレーションノウハウってそんな高貴なもんじゃないよ”って事をサービス化する予定です。サービスに必要なアライアンス等の枠組みはほぼ準備出来たので、あとはユーザーの入り口設計のみです。こちらは独自スケールを目指します。

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③参考図書の紹介
これまでブログで行ってきたベンチャー創出に役立つ参考図書の紹介ですが、経洗塾HPの会員限定内コンテンツに移行します。というのが、経洗塾のノウハウを出来るだけ効率的に塾参加者やアクセラレーター候補の方々に理解してもらいたいので、クローズドなコミュニティーの中で紹介図書に関する質疑応答ができた方が良いと考えるからです。こちらは、まずは経洗塾HPの上部メニュー”経洗塾テキスト”から会員登録をしてもらえれば幸いです。随時最新図書の紹介やおすすめ図書の概要をアップしていきます。ちなみに、紹介図書以外の内容は、継続的にこちらのブログでアップしていきます。

経洗塾HP:

https://www.ksj-vp.com/


セミナー活動
”世界を相手に生きるという事”や”ベンチャーアクセラレーター育成講座”等を不定期に開催してきましたが、こちらは完全に受託事業にシフトします。主には行政組織、金融機関、ベンチャーサポート系大手企業への事業として継続します。既にいくつかの県でも今年の開催が決まってきてますが、こちらの活動は本当にプライベートのスケジュール次第ですので、ご理解ください。

⑤その他
密かに経洗塾の独自プロダクトネーム”KSJ”の展開を考えてます。上記の活動から全く逸脱してなくて、”ベンチャーを考える方々には良いものを着て、良いものを使って、良いものを食してもらいたい”という想いで、現在色々とプロダクトを準備中です。少しだけ自分の楽しみも入ってますが、今まで訪れた土地やこれから伺う土地の特産等を利用してプロダクト開発をする予定です。ご興味ある方はこちらをウォッチしてみてください。あくまでマイペースで準備していくので、あまり期待しないでください。

経洗塾オフィシャルBASEショップ:

https://ksj0008.official.ec/

 

以上の事に今年の経洗塾は取り組んでいきたいと思います。何も真新しい事はなく、ただこれまでやってきた事の精度を粛々と向上して、質を上げて、よりサービス化していきます。これまで種を植えた経洗塾の土壌に今年はしっかりお水をあげる時期だと考えてます。令和の時代にどんなシードベンチャーに出会えるのか、どんな素晴らしい土地に伺えるのか今から楽しみです!

世界の労働文化と高知、高松で感じた事を比較したベンチャー論

 

今回高松、高知と経洗塾未開の地である四国ツアーを行って改めて感じたのが、日本各地の様々な商文化を学びながら世界と日本、首都圏と地方におけるベンチャー起業やベンチャー創出の最適化を一つ一つ紐解いていきたいなという想い。

 

ということで、今回は四国ツアーを通じて感じた”労働”に対する考え方の違いを世界と日本を比較しながら考えてみようと思います。

 

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まずは海外のユニークな労働習慣をリストアップしてみると、

スペインー真昼間から優雅なランチや帰宅してからのお昼寝タイムを3〜4時間楽しむシエスタ

台湾ースペインよりちょっと効率的に、ランチ時間になると突然オフィスが消灯して昼寝

ヨーロッパ各地ーもう商社の方はご存知の、迷惑極まりないサマーブレークによる1ヶ月近い休み(日本からの仕事が全然進まない)

アメリーThanksgiving、Christmas、St.Patrick Dayなどの各ファミリーディナー休暇(基本的な就労契約はアットウィルなので、成果を出す前提で出退勤は自由。業務種による賃金の縛りも明確なので、必要収入に対してダブルワーク、トリプルワークを行なっている若い夫婦も多い。)

北欧ー外食費が高く、3時過ぎから帰宅ラッシュが始まり、自宅で家族揃って晩御飯

シンガポールー海外との取引ありき的な就業なので、ハッピーアワー退社が頻繁に発生。社外とのコミュニケーション、家族とのコミュニケーションも大事なので平気で仕事をコロコロ変える。日本のプレミアムフライデーが海外からの来客がある度に発生みたいなイメージ。

ベトナムー65%以上がダブルワーク。(1社当たりの収入に対して、経済成長に連動して必要となる月収)これは東南アジア全域の問題として取り上げられることが多い”ワーキングプア”とかって言われたりしますね。自分の収入レベル関係なく経済がどんどん成長していくので、全体の生活水準の押し上げにより働いても働いても豊かにならない労働状況。

フランスカロン大統領は35時間制を導入

かなり個人的なマネージメント経験も踏まえてリストアップさせてもらいましたが、要は日本で語られているような就業環境とか働き方改革の内容とかって、世界から見ると既に多様な文化として存在するわけです。それを国の制度として大企業が右習えで改革として進めているのが日本らしいと言えばそうかもしれないです、、、

では日本の田舎はというと、朝早くから出勤して、お昼には自宅にご飯を食べに戻り、夕方には退社して晩御飯を家族で食す。農家はダブルワークありきだし、地方で成長する会社はだいたい”保育園に子供迎えに行って、おばあちゃんの家まで送ってきまーす。”なんて自由を社員に提供する。

高知のひろめ市場なんて完全にシンガポールのホーカー文化と一緒。昼間からわいわいガヤガヤ、食事を持ち寄って、真昼間から来客対応で飲みたい放題。

何が言いたいかというと、これからの労働や働き方改革の解は実は日本の田舎に有り、ってことなのかなと。特にベンチャービジネスを志す人間にとっては。

これからのベンチャー創出は国内で戦っても優秀な人員の奪い合い。それでもリスクマネーを調達するには企業としての永続的な成長を担保する必要があり、その上で海外人材含め、多様なバックグラウンドを有する人員を受け入れる戦略の重要性は増すばかり。就業規則で縛ることが難しくなり、マネージメントする側はどれだけ個人の能力を個別最適化出来るかが高度人材採用の鍵となる。

こうやって海外との労働文化の比較含めて、これからのベンチャービジネス創出を考えると自分なりの答えとして見えてくるのが、個人の尊重、ライフスタイルの尊重がこれからのベンチャーのコアメンバー集めには重要になってくるのでしょうね。そのヒントが地方の働き方にあるように思います。

このシリーズはちょっと定期的に続ける予定です。

労務事情の最先端を知ることによるジェラシー

 

昨晩の宴で得た労務に関連した情報が、専門家では無い自分にも面白かったので箇条書きでシェア。

労務にもニアショア、オフショアが存在する。

労務を捌くニアショアで従業員数1,000人以上の事業者が存在する。

・海外に労務を捌くオフショア地域が存在する。(深くは書けません。)

・国内労務業界は現在M&A、事業承継問題の嵐。


・日本の医療制度、保険制度はトップクラス。それを維持するだけの日本の海外における稼ぎ力が減退しているだけ。人口減少と稼ぎ力は相互関係ではない。

医療保険制度に関連して、某保険会社の仕事は最早歩く銀行マン。

やはり全ての業界で業務効率化、作業効率化の整備がどんどん進んでいて、日本の比ではないくらい、海外がスピード感を持って前に進んでいる。

だからこそ、これからのベンチャー事業を志す上で大切なのは、世界観やビジョンの大きさ、事業の潜在スケール規模となる。うちに縮こまっていると、そんな世界から確実に取り残されていくだけだなと痛感した夜になりました。

それにしても、海外で学業を追求し、アジアでの仕事に大半の人生を費やしてきた人間が数年間瀬戸内海に篭っていただけで、これだけ世界事情から取り残され、且つそれを同年代の宴メンバーから教えてもらうのは正直悔しいと感じてしまいました、、、

まだまだ自分も幼稚だなと。日々成長ですね。

 

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