ゼロイチのブレまとめ

 

経洗塾を通じて多くの経験をしてきた事をベースに、ゼロイチ事業推進がブレるタイミングをまとめてみました。

ブレる要素を知ることで、自身の現状をより正確に理解する一助になるかもと思いましたので。

①立ち上げ前〜初期の段階でパラメーターの分母係数に関する徹底的なマーケット情報収集が行われていなかった

②商品、サービスリリース後に対外的に過剰にもてはやされることで、リアルな組織力、チーム力が見えなくなり、なぜ事業成長が進まないのかをビジネスモデルのせいにしてしまう→パラメーター分母係数への自信を失う

③ゼロイチ事業を通じて事業開始前よりも圧倒的に人脈が拡充すると、壁打ち相手が事業推進のプロセスで増加し、多くの多様なアドバイスを受ける中で初期のパラメーター分母係数に対する意欲を失ってしまう

④そもそも事業スタート時の大義が他者から与えられたものだったことに、事業リリース後に気付く


⑤事業リリース初期のチームメンバーが強引に集められ過ぎて、初期のマイルストーン達成前にチームの不和による事業に対する猜疑心が生まれる→井の中の蛙チーム作りに陥ってしまう

⑥ゼロイチでの直接金融利用時に、調達するためのVCもしくはエンジェルの意向を受け入れる

⑦直接、間接金融に対する理解を深めず事業リリースしてしまい、事業開始初期から両方の要素を取り入れようとリソース集中が分散してしまう

ゼロイチを立ち上げるタイミングでは、運の連鎖、成果の連鎖、人脈の連鎖等、数珠つなぎで多くのことが五月雨式に発生します。

そんな状況が発生するからこそ、事業開始前に自身の事業に対する大義やそれを具現化できる事業の根幹に位置する成長分母の係数を徹底的に把握し、事業開始後も常にそこに対するブレがないかを精査することが大切なんだろうなと思います。

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新しい県での展開に関して


まさかこんな展開になるとは思っておりませんでした。近日中に長崎経洗塾をキックオフします。

旧友の公庫白土さん、県庁の村井さん、小島さん、公認会計士の手塚さん、などなど。
前回の長崎県スタートアップ拠点プレセミナーにお呼び頂いた皆様の熱意とシードベンチャーの皆様の後押しに完全に想いが支配されてしまいました。

広島出身の人間としては、長崎の地は修学旅行で訪れた過去の記憶。

それが大人になって再訪してみると長崎の奥深さに感動してしまい、一気にファンになってしまいました。

無数の歴史的建造物、多様な文化が入り混じった商文化、豊かな自然に育まれた食文化。特に海産物が絶品です!(写真は長崎市で毎年開催されるランタンフェス。街が桃色のランタンで埋め尽くされます。)

そんな場でベンチャー創出に挑むことが出来るという事で、今からワクワクが止まりません。

 

既に岡山、広島での通常塾と昨年に続いて山口でのプログラム開催が確定してますが、今年は早期にあと2つの県での展開を計画してます。現在の候補は鳥取と香川。まだまだ何も確定してませんが、気力、体力が続く限り、今年は塾を成長させます!

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今年の経洗塾の取り組みに関して


新しい元号が”令和”と発表されました。これから新しい時代を迎えるという事で、今後の経洗塾のサービス展開に関してちょっとだけ説明させてください。

経洗塾の新しいミッションをまずは設定しました。

”未来を創造するベンチャー性善説を常に追求し、経済環境に囚われない永続的に持続可能な社会をベンチャーと共に目指す”

今まで多くの方々とお話してきて、この想いを共有させてもらいました。今の日本の世の中はやりたい事をやりたいというだけで”性悪説”の壁が立ち塞がります。特にシードベンチャー創出の場では、実際には頻繁にこの壁が存在します。それを全てぶち壊したいなというのが経洗塾のミッションです。地方課題解決や自然問題解決、人口減少問題解決、各地の遊休資産活用等を主な成長軸としたベンチャーの創出を経洗塾のスペシャリティーにしていく方針です。

 

①通常経洗塾
こちらに関しては、これまで中国地方をベースに地方発ベンチャーの創出を8年ぐらい続けてきた通り、塾生から喧嘩を売られるくらいガチンコでベンチャー創出に取り組む場としてマンパワーの限り開催していきます。参加された方々はお分かりだと思いますが私はただの色々経験者としてフラットな関係で取り組むので先生と生徒とかの関係ではなく、この塾というエコシステムの質を常に向上しながら半永続的に塾生をサポートしていく体制が作れたらなと考えてます。まだ進出していない地域への展開も随時行っていきます。現状の開催状況は、第9期広島=募集中、第5期岡山=満席、第1期長崎=募集中です。入塾説明会に関するお問い合わせは以下をご利用ください。

経洗塾のお問い合わせページ: 

https://www.ksj-vp.com/contact.html

 

②inhouse
こちらは今年中早期にリリースを計画している新クラウドサービスとなります。ミッションは、”アクセラレーションの破壊”です。長年継続してきたベンチャー創出の場で感じてきた事を丸っとサービス化出来たらなと考えてます。ベンチャー創出に対する考え方は人それぞれだし、受けたいサポートも人それぞれ。それでもベンチャー創出に取り組む方には一定のベースのノウハウやリソースが必要だし、最低限それを都市部でベンチャー創出に取り組むのと同じぐらいフラットに提供出来たらなという想いで準備してます。要は”アクセラレーションノウハウってそんな高貴なもんじゃないよ”って事をサービス化する予定です。サービスに必要なアライアンス等の枠組みはほぼ準備出来たので、あとはユーザーの入り口設計のみです。こちらは独自スケールを目指します。

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③参考図書の紹介
これまでブログで行ってきたベンチャー創出に役立つ参考図書の紹介ですが、経洗塾HPの会員限定内コンテンツに移行します。というのが、経洗塾のノウハウを出来るだけ効率的に塾参加者やアクセラレーター候補の方々に理解してもらいたいので、クローズドなコミュニティーの中で紹介図書に関する質疑応答ができた方が良いと考えるからです。こちらは、まずは経洗塾HPの上部メニュー”経洗塾テキスト”から会員登録をしてもらえれば幸いです。随時最新図書の紹介やおすすめ図書の概要をアップしていきます。ちなみに、紹介図書以外の内容は、継続的にこちらのブログでアップしていきます。

経洗塾HP:

https://www.ksj-vp.com/


セミナー活動
”世界を相手に生きるという事”や”ベンチャーアクセラレーター育成講座”等を不定期に開催してきましたが、こちらは完全に受託事業にシフトします。主には行政組織、金融機関、ベンチャーサポート系大手企業への事業として継続します。既にいくつかの県でも今年の開催が決まってきてますが、こちらの活動は本当にプライベートのスケジュール次第ですので、ご理解ください。

⑤その他
密かに経洗塾の独自プロダクトネーム”KSJ”の展開を考えてます。上記の活動から全く逸脱してなくて、”ベンチャーを考える方々には良いものを着て、良いものを使って、良いものを食してもらいたい”という想いで、現在色々とプロダクトを準備中です。少しだけ自分の楽しみも入ってますが、今まで訪れた土地やこれから伺う土地の特産等を利用してプロダクト開発をする予定です。ご興味ある方はこちらをウォッチしてみてください。あくまでマイペースで準備していくので、あまり期待しないでください。

経洗塾オフィシャルBASEショップ:

https://ksj0008.official.ec/

 

以上の事に今年の経洗塾は取り組んでいきたいと思います。何も真新しい事はなく、ただこれまでやってきた事の精度を粛々と向上して、質を上げて、よりサービス化していきます。これまで種を植えた経洗塾の土壌に今年はしっかりお水をあげる時期だと考えてます。令和の時代にどんなシードベンチャーに出会えるのか、どんな素晴らしい土地に伺えるのか今から楽しみです!

世界の労働文化と高知、高松で感じた事を比較したベンチャー論

 

今回高松、高知と経洗塾未開の地である四国ツアーを行って改めて感じたのが、日本各地の様々な商文化を学びながら世界と日本、首都圏と地方におけるベンチャー起業やベンチャー創出の最適化を一つ一つ紐解いていきたいなという想い。

 

ということで、今回は四国ツアーを通じて感じた”労働”に対する考え方の違いを世界と日本を比較しながら考えてみようと思います。

 

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まずは海外のユニークな労働習慣をリストアップしてみると、

スペインー真昼間から優雅なランチや帰宅してからのお昼寝タイムを3〜4時間楽しむシエスタ

台湾ースペインよりちょっと効率的に、ランチ時間になると突然オフィスが消灯して昼寝

ヨーロッパ各地ーもう商社の方はご存知の、迷惑極まりないサマーブレークによる1ヶ月近い休み(日本からの仕事が全然進まない)

アメリーThanksgiving、Christmas、St.Patrick Dayなどの各ファミリーディナー休暇(基本的な就労契約はアットウィルなので、成果を出す前提で出退勤は自由。業務種による賃金の縛りも明確なので、必要収入に対してダブルワーク、トリプルワークを行なっている若い夫婦も多い。)

北欧ー外食費が高く、3時過ぎから帰宅ラッシュが始まり、自宅で家族揃って晩御飯

シンガポールー海外との取引ありき的な就業なので、ハッピーアワー退社が頻繁に発生。社外とのコミュニケーション、家族とのコミュニケーションも大事なので平気で仕事をコロコロ変える。日本のプレミアムフライデーが海外からの来客がある度に発生みたいなイメージ。

ベトナムー65%以上がダブルワーク。(1社当たりの収入に対して、経済成長に連動して必要となる月収)これは東南アジア全域の問題として取り上げられることが多い”ワーキングプア”とかって言われたりしますね。自分の収入レベル関係なく経済がどんどん成長していくので、全体の生活水準の押し上げにより働いても働いても豊かにならない労働状況。

フランスカロン大統領は35時間制を導入

かなり個人的なマネージメント経験も踏まえてリストアップさせてもらいましたが、要は日本で語られているような就業環境とか働き方改革の内容とかって、世界から見ると既に多様な文化として存在するわけです。それを国の制度として大企業が右習えで改革として進めているのが日本らしいと言えばそうかもしれないです、、、

では日本の田舎はというと、朝早くから出勤して、お昼には自宅にご飯を食べに戻り、夕方には退社して晩御飯を家族で食す。農家はダブルワークありきだし、地方で成長する会社はだいたい”保育園に子供迎えに行って、おばあちゃんの家まで送ってきまーす。”なんて自由を社員に提供する。

高知のひろめ市場なんて完全にシンガポールのホーカー文化と一緒。昼間からわいわいガヤガヤ、食事を持ち寄って、真昼間から来客対応で飲みたい放題。

何が言いたいかというと、これからの労働や働き方改革の解は実は日本の田舎に有り、ってことなのかなと。特にベンチャービジネスを志す人間にとっては。

これからのベンチャー創出は国内で戦っても優秀な人員の奪い合い。それでもリスクマネーを調達するには企業としての永続的な成長を担保する必要があり、その上で海外人材含め、多様なバックグラウンドを有する人員を受け入れる戦略の重要性は増すばかり。就業規則で縛ることが難しくなり、マネージメントする側はどれだけ個人の能力を個別最適化出来るかが高度人材採用の鍵となる。

こうやって海外との労働文化の比較含めて、これからのベンチャービジネス創出を考えると自分なりの答えとして見えてくるのが、個人の尊重、ライフスタイルの尊重がこれからのベンチャーのコアメンバー集めには重要になってくるのでしょうね。そのヒントが地方の働き方にあるように思います。

このシリーズはちょっと定期的に続ける予定です。

労務事情の最先端を知ることによるジェラシー

 

昨晩の宴で得た労務に関連した情報が、専門家では無い自分にも面白かったので箇条書きでシェア。

労務にもニアショア、オフショアが存在する。

労務を捌くニアショアで従業員数1,000人以上の事業者が存在する。

・海外に労務を捌くオフショア地域が存在する。(深くは書けません。)

・国内労務業界は現在M&A、事業承継問題の嵐。


・日本の医療制度、保険制度はトップクラス。それを維持するだけの日本の海外における稼ぎ力が減退しているだけ。人口減少と稼ぎ力は相互関係ではない。

医療保険制度に関連して、某保険会社の仕事は最早歩く銀行マン。

やはり全ての業界で業務効率化、作業効率化の整備がどんどん進んでいて、日本の比ではないくらい、海外がスピード感を持って前に進んでいる。

だからこそ、これからのベンチャー事業を志す上で大切なのは、世界観やビジョンの大きさ、事業の潜在スケール規模となる。うちに縮こまっていると、そんな世界から確実に取り残されていくだけだなと痛感した夜になりました。

それにしても、海外で学業を追求し、アジアでの仕事に大半の人生を費やしてきた人間が数年間瀬戸内海に篭っていただけで、これだけ世界事情から取り残され、且つそれを同年代の宴メンバーから教えてもらうのは正直悔しいと感じてしまいました、、、

まだまだ自分も幼稚だなと。日々成長ですね。

 

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鉄拳チンミとGOAL!とベンチャー

 

 

取り敢えず、三日坊主だけは避けたいブログ活動。

 

今回はベンチャーにおける井の中の蛙に関して。
塾の中で良く話題に上がる、”鉄拳チンミのノミの話”と映画”GOAL!"の名シーン。

鉄拳チンミ

鉄拳チンミのノミの話は、鉄拳チンミという武闘家がお師匠さんから教えられる、自分の能力が今以上に伸びるかどうかは自分次第なんだよという内容です。ノミという虫は5cmの箱の中にしばらく入れておくと5cmしかジャンプ出来なくなり、10cmの箱だと10cm飛べるようになる。だから自分の実力を過信せず、今以上に飛べるようになると信じて能力を上げ続ける必要があるという話。

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Goal!

Goal!の名シーンは以下より。

https://mobile.twitter.com/jobasannn1/status/1035824405677391872

メキシコからの不法移民としてアメリカに住んでいた主人公は、天才的なサッカーの能力を認められてイギリスの名門クラブのプロ契約試験を受ける。しかし、アメリカでもてはやされた技術に頼る主人公のプレイを監督は鋭く指摘。技術よりも味方を使うこと、周りの能力を活用する事を指導する。パスはドリブルより早いという話。

二つのエピソードに共通しているのは、

・”井の中の蛙”は、自分がいる環境の中で知らない間に育まれている
・自分の中の慢心は自分が意識して変えようと努力しない限り変わらない
・”井の中の蛙”を変えるためには、新しい環境に素直になる、周りの能力を活用する、今の自分に固執しない

ベンチャービジネスに取り組むと、特に近視眼的な”井の中の蛙”になりやすい。

だけど、世界は広い。”世の中に存在しないプロダクト、サービスです”って、地球一周すれば同じようなものは必ず存在する。国内だって、市況によってベンチャー環境は180度変化する。ベンチャー界隈の常識もすぐにコロコロ変わる。

”自分は凄いんだ!”と信じるのは自由。だけど、自分が凄い事を語っても世界にはもっと凄いやつは沢山いる。

だから、ベンチャー経営を志す人間って、常に自分が幸せにしたいこと、モノ、人の軸がブレる事なく、井の中の蛙になる事なく、日々事業に邁進する事が大切。

ちなみに、英語で井の中の蛙は"frog in a well"だそうです。大学一年ぐらいの時に覚えた気がする。TOEIC塾も参加者決まったし、今年は英語のおさらいもして井の中の蛙にならないように自分をスケールアップさせます。

海外で鍛えられるベンチャーとサッカーの共通点

昨晩のサッカー日本代表の試合は凄く分かりやすかった。

海外組が入った途端にスピードと攻撃の仕掛けが向上する。

パスミスやドリブルを止められるのなんてどうでも良いぐらいの勝負の連続。

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結論。海外で揉まれるって、こういう事なんじゃないかなと。

・全てにおいてのスピードを上げる(パス、シュート、全てのプレー判断)
・どんな環境下でも大前提として個で勝負する、打開する、結果を出す

その集合体が強いチームを作る。そこに日本人らしい他者を感じ取る力や
個のイメージを融和する力を掛け合わせる。それが日本代表をもっと強くする。

これって、ベンチャーでも同じだなと思いました。

・全てにおいてのスピードを上げる=意思決定を早くする、早いPDCA、早いサービス作り、早い指示、早い成長、、、etc...
・個で勝負=個人の力の集合体が切磋琢磨を生む、勝つという目標に向かって、まず個人が戦う

先日引退したイチローや海外で戦うサッカー日本代表の面々もそうだけど、そりゃ海外で過ごしていると日本人っていうだけで人種差別にも出くわすし、自分より凄い人間たちにも毎日出会う、正直苦労ばかり。

だけど、そんな中で全ての向上のスピードを上げる事と、個でまずは最大限戦う事が出来ないと生き残っていけない事を日々体感する。サッカー論とかベンチャー論とか色々あるけど、結果サッカーの世界でもベンチャーの世界でもそれが大切な事なんだなぁと感じた試合でした。